
こんにちは。
某銀行で融資担当をしています、たいちゃんねるです。
今日は銀行へ就職を考えている方(就活生・転職者)へ今の銀行のリアルについて綴っていこう思います。
昔と変わらず今でも金融機関への就職希望者は根強く人気です。
その中でも銀行は採用人数も多いということもありますが、
証券会社、保険会社に比べるとさらに人気があると感じています。
人気だから、安全だから、安定だからとそういった理由だけで銀行へ就職するのはどうなのかな?って思います。
なので現役銀行員であるたいちゃんねる先輩にちょっとだけお話させてください。
Contents
銀行の主要3大業務
みなさんはこれ分かりますか???
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正解は「融資」・「預金」・「為替」ですね。
分かった人はすごい!!!
でもこれは昔の銀行の姿です。
もう一つ主要業務が入っていると感じます。
それは、、、「役務取引」です。
これが重要なのでもう一度言います。
役務取引です。
????????って感じだと思いますが、簡単に言うと手数料ビジネスです。
上記の主要3大業務から大転換期を迎えているなと現場では感じますね。はい。
融資・預金・為替についてそれぞれ解説
①融資業務について
まずは銀行の醍醐味「融資」についてです。
大企業への融資であれば数千億単位で貸出を行います。
ビジネスとしてはダイナミズムを感じ、「おれって銀行員だな!」と感じます。半沢直樹の音楽が流れているような感覚になります(笑)
でも現状の貸出金利は1%を切るほどです。
昔は4~5%で企業や個人に融資をしていたものの日本経済はバブル崩壊後不景気に陥り、
企業や個人の資金需要(貸して欲しい!)がなくなり銀行は金利を下げても誰も借りてくれないからさらに金利を下げるってのを10年以上続けてました。
さらに最近では日銀のマイナス金利政策により金利を引き下げることになり、
今では規模にもよりますが民間企業でも住宅ローンでも1%未満で貸出をしています。
企業に対しては頭を下げて「社長、借りて下さい!」と営業。(借りて下さいって何?って感じですね笑)
個人の場合、家を立てるため!とか子供の教育費!とかリフォーム!とか若干需要はあるかなって感じですが、
昔と比べて給料も低いのかそもそも貸して欲しい!とはなってないみたいですね。
②預金業務について
銀行の「融資」があればそのお金を「預金」で調達します。
みなさんから集めた「預金」を銀行が貸出先を審査・選定して貸出に繋がるわけです。ここはみなさんも知っていることですね。
今だと預金金利は0.001~0.02%とかですかね。
銀行に預けててもお金が増えないのはここが原因ですね。
仕組みとしては、
預金者 →→(0.02%) 銀行 →→(1.00%) 企業・個人
0.02%で預かったお金を1.00%で貸し出すのが銀行のビジネスモデルです。
1億円貸すと金利収入が年間約100万円、預金者への払い出しが200円。
その差額が銀行の取り分となります。
ここから人件費(営業担当、審査担当、債権管理担当など)や立地抜群の自社ビル維持費、雑費等に消えていきます。
今は貸出金利は1%だと言いましたが現場では基本0%台です。もう利益でないです(笑)
いや〜大変ですよ。
③為替業務について
よく空港とかで銀行の窓口があって両替できる場所がありませんか?
そうです。あれです。
クレジットカードやデビットカードの普及もあり海外行っても基本カード払いじゃないですか?
多少現金は必要でしょうけど数万円くらいなので為替手数料はほどんどとれません。
これはあくまで一例です。
あとは銀行振込にかかる送金手数料ですね。
今ではATMやインターネットバンキングの普及もあり同一銀行間の送金手数料は無料、他行へ振込でも窓口に行かなくてもネットなら送金手数料は安く済みます。
今では銀行の利便性を上げるために新技術を用いて銀行間同士の手数料を無料にしたりする動きもありますね。
以上の通り、昔と違って現状の銀行業務だけでは銀行自体が成り立たなくなっているというのが現実です。
さらなる収益になる柱
融資じゃ儲からない! そこで登場したのが「役務取引」です。
法律の改正もあって、銀行の窓口で投資信託や保険商品の販売が銀行でもできるようになりました。
証券会社や保険会社でできることが銀行でもできるようになっちゃったので証券会社や保険会社はたまったもんじゃないですよね。
さらに銀行の強みは、個人が銀行に預けているお金がいくらあるか分かってしまいます。
なのでお金を持っている客に金融商品の販売を効率よくできちゃいます。
投資信託の販売手数料は販売金額に対してだいたい2%
なので100万円分売ると2万円が販売手数料となります。
ただ日本の投資信託は販売手数料が高すぎると最近金融庁から目をつけられてます。
アメリカの投資信託の販売手数料は平均0.5%なんですって。
日本の場合、買った瞬間2%の損失から始まります。
Why Japanese People???ですよ。本当に(笑)
販売手数料率がどんどん下がると銀行の収益が減ります。ここでも大変です。
最近だとAI(人工知能)やロボットの発展から個人にあった金融商品を提案してくれます。
ロボットだと営業マンの販売手数料は少なくて済むし、膨大なデータ量から分析等もしてくれるので人間より正確?かもしれません。
すると現場で働いている営業マンはいらないんじゃないかってなりませんか?
たいちゃんねる的にはこういった手数料ビジネスも数年後にはロボットに取って代わり営業マンが不要になる時代が来ると予感しています。
最近の銀行事情まとめ
上記のように銀行っていろいろ大変ですよ。
昔は、日本経済も良く資金需要(銀行さんお金貸してください〜)もあり銀行の身分は高かった。「銀行=高給取り、安定」はここから始まったのではと推測。
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たくさん都市銀行・地方銀行・信用金庫作りまくって競争激化
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日本経済が不景気に陥り、各金融機関で金利引き下げ
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体力のない銀行は倒産・合併を繰り返しなおも金利激化で引き下げ
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資金需要がないので、「社長、今月借りて下さい!」と営業。
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借りてくれないので金利は下がる一方
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金利では儲からないから手数料ビジネスに走り出す。
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日銀によるマイナス金利
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各地方で地方銀行の合併が相次ぐ。(成り立たない銀行が多発)
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金融商品は本来「運用商品」なのに「販売商品」になっていると金融庁からメスが入る。(いわゆる手数料目的じゃないか!というやつ)
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フィンテック(金融×IT)、AI(人工知能)の発展で営業マンの削減、審査担当の削減。
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やべぇ〜どうしよう〜!!!! ←今ココ!
そんな感じです。
でもやっぱり銀行っていいよ
内容的にネガティブな話が多かったので今度は銀行っていいよ!って話をします。
僕は銀行に入って良かったと思っています。3つくらいオススメ理由も書いときます。
①幅広い知識が身に付く
入社1年目はとにかく1に資格、2に資格、3・4も資格で5も資格ってくらい資格はとりました。
1年目で10~15くらいはとったと思います。
業務に生かされるかどうかは別としてとにかく知識は増えました。
融資、財務、法務、税務、資産運用、金融、経済動向、不動産、保険、法律など
1年目で土台を作り、2年目以降は実務経験も加わり学習速度が上がります。
生きていく上で必要な知識は銀行で得たといっても過言ではないと思います。
②いろんな人と関われる
中小企業の社長や役員、金融機関の人間からの一般企業のサラリーマンなどいろんな人と関われます。
へぇ〜この業種のトレンドって今こうだったんだ!!
など自分の知らない世界を生きている人たちと関われるのは良い刺激を受けます。
③新しい銀行のあるべき姿を作れる
これからの銀行はこうだ!!など決まったものは存在しません。
今後の技術進歩で銀行はどこに向かっていくのか?というのをリアルに経験できます。
昔の銀行は頭の堅い人がいてなかなか意思決定が進まないということがざらにありました。
今は違います。
生き残りを掛けて様々なところと提携し合ったり技術投資をしたりとにかく必死です。
銀行業務は衰退すると思うけど銀行機能はなくてはならない存在です。
大きく変わろうとしている環境に敢えて参画するってのも面白いんじゃないかなと思いますよ。
まとめると、、、、
みんなが思っているほど今の銀行って安定でもないし、年次に従って給与上がっていくのは考えにくいです。←どこの業界もそうですが。
何のために銀行に入るのか、銀行に入って何をしたいのか
ここが一番重要な気がします。
よく就活生で「成長したい!」とは言うものの成長してどうしたいの?とも思います。
それらが明確であれば、銀行っていいですよ!!!
ということで今日は以上です。
ありがとうございました!!